推薦メッセージ

熊谷市平戸の「おおぼとけ」継承プロジェクト参加にあたり

吉備文化財修復所
代表 牧野隆夫氏

現代人は仏像を学術的な価値で捉えることを先行させてしまいがちですが、平戸の「おおぼとけ(大仏)」に向かい合うと、そんな頭でっかちの考えが吹き飛び、関った人々の想いがストレートに伝わり力をもらえます。

全国に数百万を超える仏像をもつ「木彫刻の国ニッポン」でも希有のスケールを誇るこの「おおぼとけ」。継承のためお堂改築プロジェクトが始まります。

一人でも多くの方々の気持が加わりながら未来に伝わることを願います。

「平戸の」継承プロジェクトの意義

立正大学仏教学部仏教学科
教授 秋田貴廣氏

お堂の窓越しに「おおぼとけ」をはじめて目にしたときの衝撃を、私は今でも覚えています。
さほど大きくない堂内、その天井に頭頂が届くように坐す二躰の巨仏に「まさか!」という感慨を覚えました。

この平戸の「おおぼとけ」は350年を超える年月、この場所に鎮座し、人々に護られ、人々の生活を見守りつづけてきました。お仏像はまさに地域文化のタイムカプセルのような存在なのです。

この貴重な文化財に対して、人々の生活や信仰そして文化の視点からこの地域の過去と現在をつなぎ、それを引き継ごうとする試み(当プロジェクト)は、この地域全体の未来にとっても重要な布石となるはずです。私は全力で応援します。